公開日:2022.12.05

更新日:2022.12.20

「SDGs」ってなに?小学生のみなさんにわかりやすく解説(かいせつ)

「SDGs」ってなに?小学生のみなさんにわかりやすく解説(かいせつ)!

最近(さいきん)、SDGsという言葉をよく聞くようになりました。でも、SDGsの意味(いみ)をちゃんと知っていますか?

 

SDGsでは、世界で起こっているさまざまな問題を解決(かいけつ)改善(かいぜん)し、地球を未来(みらい)につないでいくために必要(ひつよう)目標(もくひょう)を、17の項目(こうもく)に分けて取り上げています。

 

ここでは、小学生のみなさんに向けて、SDGsについて分かりやすく説明(せつめい)します。また、小学生でもできるSDGsの取り組みについてもアドバイスします。

SDGsってなんだろう?

まず、SDGs という言葉を説明しましょう。

 

SDGsは、「Sustainable(サステナブル) Development(デベロップメント) Goals(ゴールズ)」という英語(えいご)の頭文字をとった言葉です。「エス・ディー・ジー・ズ」と呼びます。

日本語でいうと「持続可能(じぞくかのう)開発(かいはつ)目標(もくひょう)」という意味がある、世界で共通(きょうつう)の目標です。

 

とはいえ、これだけでは「意味がよくわからない!」いう人も多いでしょう。もう少しくわしく説明しましょう。

 

この世界で、いつまで安心安全に()らしたい。私たちは、みんなそう思っています。しかし世界には、環境(かんきょう)問題や貧困(ひんこん)差別(さべつ)など、さまざまな問題があります。

 

SDGsは、こういった問題を一つひとつ解決(かいけつ)改善(かいぜん)し、世界のすべての人が取り(のこr)されず、人間らしく暮らし(つづ)けていけることをめざしています。

 

SDGsは、2015年に、150をこえる国や地域の首脳(しゅのう)参加(さんか)して開催(かいさい)された「国連(こくれん)持続可能な開発サミット」で決められました。そして、2016年から2030年の15年間で、目標を達成(たっせい)することを目指(めざ)しています。

 

SDGsで取り上げている問題が解決・改善されることで、私たちが人間らしく暮らし続けていくために必要(ひつよう)な「経済(けいざい)」「社会」そして「環境」の3つが、バランス良く続いていくことが大切です。

 

SDGsの目標を達成することを目指す2030年まで、もう10年もありません。未来(みらい)を生きる小学生のみなさんが大人になったとき、より()い世界になっているための大きな目標なのです。

SDGsには17の目標がある

SDGsには17の目標があり、2030年までに達成することを目指しています。

 

そして、「どの問題を、だれがどのようにして取り組むか」という具体的な取り組みをしめした、169の「ターゲット」から成り立っています。

SDGsの17の目標を、簡単(かんたん)に紹介(しょうかい)します。

1 貧困を無くそう
2 飢餓(きが)をゼロに
3 すべての人に健康(けんこう)福祉(ふくし)
4 (しつ)の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現(じつげん)しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8 (はたら)きがいも経済(けいざい)成長(せいちょう)
9 産業(さんぎょう)技術(ぎじゅつ)革新(かくしん)基盤(きばん)をつくろう
10 人や国の不平等(ふびょうどう)をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任(せきにん) つかう責任
13 気候(きこう)変動(へんどう)具体的(ぐたいてき)対策(たいさく)
14 海の(ゆた)かさを守ろう
15 (りく)の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう

どうですか?どれも、みなさんの未来のために大切なことばかりですよね。

 

それぞれの目標は、バラバラに考えるものではなく、それぞれが深く関係性(かんけいせい)でつながっています。

SDGsの「5つのP」

SDGsには、17の目標(もくひょう)があります。でも、17のことを考えるのはちょっと大変(たいへん)ですよね。

 

そんなときは、英語(えいご)の「P」にちなんだ5つのキーワードでSDGsを考えると、わかりやすくなります。

SDGsの「5つのP」

(1)人間(People)

だれもが人間らしく生きていくために、保証(ほしょう)されなければならない項目(こうもく)です。

 

貧困(ひんこん)飢餓(きが)健康(けんこう)教育(きょういく)など、目標の1〜6がそれに当たります。

(2)豊かさ(Prosperity)

エネルギー問題や経済(けいざい)問題、技術(ぎじゅつ)産業(さんぎょう)、住み(つづ)けられるまちづくりなどについての項目です。

 

目標の7〜11がそれに当たります。

(3)地球(Planet)

私たちが暮らす世界の、自然(しぜん)環境(かんきょう)についての項目です。

 

資源を大切にする、気候(きこう)変動(へんどう)対策(たいさく)、海や陸の環境を守ることなど、目標の12〜15がそれに当たります。

(4)平和(Peace)

戦争(せんそう)暴力(ぼうりょく)などのない、平和な世界をつくるための項目です。

 

目標の16がそれに当たります。

(5)パートナーシップ(Partnership)

目標の実現(じつげん)のために、国や市民などさまざまな人が協力(きょうりょく)していくための項目です。

 

目標の17がそれに当たります。

 

参考:ユニセフ「SDGsの考え方」

小学生ができるSDGs

SDGsは、世界規模(きぼ)の問題を解決(かいけつ)改善(かいぜん)するための大きな取り組みです。しかしここで 大切なのは、小学生のみなさんが、自分はどんなことが出来るかを考えてzすることです。

 

なぜなら、一人ひとりの小さな行動が、大きなちからにつながっていくからです。

 

ここでは、具体的(ぐたいてき)に小学生のみなさんでもできるSDGsの取り組みを紹介しましょう。

小学生ができるSDGsの取り組み

小学生でもできる身近なSDGsの取り組みを、(れい)として5つ紹介します。

(1)電気やガスなどのムダづかいをなくす

(わたくし)たちが普段(ふだん)何気なく使っている電気やガスは、(おも)に石油や石炭、天然(てんねん)ガスといった化石燃料(ねんりょう)を使ってつくられています。

 

こういった化石燃料は(かぎ)られた資源(しげん)なので、いつかなくなってしまう可能性(かのうせい)があります。

 

また、化石燃料をもとにエネルギーを作るときに、たくさんの二酸化炭素(にさんかたんそ)が発生し、それが地球温暖化(おんだんか)原因(げんいん)ともなっています。

 

その一方で、世界には今も、貧困(ひんこん)などの理由で、エネルギーを満足(まんぞく)に使えない国や人々がいます。

 

私たちは電気やガスなどをムダに使わず、大切に使うことを心がけましょう。

(2)ものを大切に使う

私たちが生活の中で使っているものは、石油など限りある資源からできているものが少なくありません。

 

「すこし古くなったから」「もうデザインに()きたから」といった理由で、 まだ使えるものを簡単に捨ててしまっては、資源のむだづかいになり、ごみが()えることになります。

 

ものは 大切に使うようにしましょう。

(3)フードロスを少なくする

日本では、食べ(のこ)しや、賞味期限(しょうみきげん)が切れて()てられてしまう食べ物が、たいへん多く出ています。

 

こういった、まだ食べられるのに捨すてられてしまう食べものの問題を「フードロス(食品ロス)」といいます。

 

日本で出ているフードロスは、スーパーマーケットや飲食店(いんしょくてん)などの事業系(じぎょうけい)のフードロスが年間275万トン、家庭(かてい)で出ているフードロスが247万トンもあり、合計500万トン以上の食べ物が、食べられることなく捨てられています。

 

これは、日本人1人あたりに()きかえると、お茶碗(ちゃわん)1杯分ほどの食べものが、毎日捨てられている計算になるとされています。

 

家庭でフードロスが起こる原因は、買いすぎや、保存(ほぞん)のしかたが()くて()てられたり、作りすぎや、()ききらいで食べ(のこ)したりすることで起こります。

 

その一方で、世界には()えに苦しんでいる人も多いことも(わす)れてはいけません。

 

(いえ)でご飯を食べるときは、必要(ひつよう)な食べ物を、なるべく必要なだけ買って食べるようにしましょう。

 

また、レストランなどで外食(がいしょく)をするときは、食べられる量だけを注文(ちゅうもん)し、食べきるようにしましょう。

 

参考:環境省「我が国の食品廃棄物等及び食品ロスの発生量の推計値(2017年度)の公表について」
消費者庁「食品ロスって何?」

(4)マイバッグやマイボトルを持ち歩く

何回も使えるマイバッグをふだんから持ち歩いていれば、買い物をするときにレジ袋を買うこともなくなるでしょう。

 

また、外出先でペットボトルの飲みものを買うよりも、マイボトルに飲みものを入れておけば、ペットボトルのごみを余分(よぶん)に出さずにすみます。

(5)ポイ捨てを絶対(ぜったい)にしない

ごみは、ポイ捨てや不法(ふほう)投棄(とうき)絶対(ぜったい)にしないようにしましょう。ルールを守って、キチンとごみ箱などに捨てるようにしましょう。

 

環境破壊(はかい)からこの地球を守るために大切なことは、ごみを自然の中に出さないことです。

(6)リサイクルの意識(いしき)を高める

使い終わったものが、また別のものに生まれ変わって使えるように、リサイクルの意識(いしき)を高めましょう。リサイクルが(すす)めば、資源の使用量(しようりょう)()ります。

 

特にプラスチック製品は、限りある資源の石油からできています。プラスチックのリサイクルが進めば、石油の使用量が減り、ごみになるプラスチックも減ります。

 

また、原料の採取(さいしゅ)輸送(ゆそう)廃棄(はいき)などの作業(さぎょう)で出る二酸化炭素の量も減らすことができます。

 

このように考えると、プラスチック以外の素材(そざい)を使うよりも、上手にプラスチックを使い、上手にリサイクルする方が、エコになる場合(ばあい)も少なくないのです。

プラスチックのリサイクル意識を高めることが身近にできるSDGs

私たちが使っているものは、リサイクルすれば、また形を変えて再利用(さいりよう)することができます。

 

その身近な例が、ペットボトルなどプラスチックのリサイクルです。

 

プラスチックには、「マテリアルリサイクル」と「ケミカルリサイクル」、そして「サーマルリサイクル」の3つのリサイクルの方法があります。

(1)マテリアルリサイクル

回収(かいしゅう)されたプラスチックを()かして、もう一度物の原料として使うリサイクルです。

 

作業(さぎょう)()やベンチ、建築資材(けんちくしざい)、シート、ボトル、文具など、さまざまなものに生まれ変わります。

(2)ケミカルリサイクル

回収されたプラスチックを、化学工場や製鉄所(せいてつしょ)で、原料として利用します。

 

鉄を作るときの還元剤(かんげんざい)や、化学製品の原料、ガス、油などに生まれ変わります。

(3)サーマルリサイクル

回収したプラスチックを()やして、(ねつ)エネルギーとして利用します。

 

燃料(ねんりょう)や、温水(プールや浴場(よくじょう)など)、暖房(だんぼう)、電池などに生まれ変わります。

正しいごみの分別(ぶんべつ)がリサイクルには大切!

プラスチックのリサイクルは、リサイクル専門の会社さんが行うことなので、私たち自身が直接リサイクルすることはできません。しかし、リサイクルのお手伝いはできます。

 

このようなプラスチックのリサイクルをするには、私たちが正しくごみを分別して出す必要があります。

 

なぜなら、回収されたプラスチックにプラスチック以外(いがい)のものがまじっていると、プラスチックとしてリサイクルできなくなるかもしれないからです。

 

使ったあとのプラスチック資源ごみは、住んでいる町の分別ルールを守って、正しくごみ出しをしましょう。

 

リサイクルされたプラスチックは、さまざまな形で、また私たちの役に立ってくれます。

 

小学生のみなさんも、身近なSDGsの第一歩として、正しいごみの分別を心がけましょう。

まとめ

ちょっと見ただけでは(むずか)しそうなSDGsですが、私たちの未来(みらい)を考える上で、とても大切なことだとわかったと思います。

 

私たち一人ひとりが、自分でも何ができるかを考え、実践(じっせん)していきましょう。

 

そして全員で、SDGsの(かか)げる目標に向かって前進(ぜんしん)していきましょう。

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