公開日:2022.12.07

更新日:2022.12.21

廃プラスチックのリサイクルをわかりやすく解説(かいせつ)

廃プラスチックのリサイクルをわかりやすく解説(かいせつ)!

ペットボトルやボールペンなど、わたしたちのの回りにたくさんあるプラスチック製品せいひん。プラスチック製品せいひんが、その使命しめいを終えて廃棄はいきされると「はいプラスチック」と呼ばれます。

 

はいプラスチックは、その多くがリサイクルされ、再生品さいせいひん燃料ねんりょうなどに有効利用ゆうこうりようされています。

 

はいプラスチックにはどんな種類しゅるいがあり、どのようにリサイクルされるのか、わかりやすく説明せつめいします。

はいプラスチックとは?

廃プラスチックとは、使い終わって廃棄はいきされるプラスチック製品せいひんのことをいいます。

 

廃棄物はいきぶつは、一般家庭いっぱんかていや飲食店、事務所じむしょなどから出る「一般廃棄物」と、工場などでの事業じぎょう活動かつどうから出される指定廃棄物の「産業さんぎょう廃棄物」の2種類しゅるいに分けられます。

 

廃プラスチックも同様に、一般廃棄物の廃プラスチックは「一般廃プラスチック」とばれ、産業廃棄物の廃プラスチックは「産業廃プラスチック」と呼ばれています。

一般廃プラスチック

一般家庭をはじめ、飲食店や事務所などから出る、プラスチックの廃棄物。

 

一般家庭では、廃プラスチックは各自治体かくじちたいのルールにそって分別ぶんべつを行い、自治体じちたいが回収します。

 

分別のルールは自治体によってことなります。

 

たとえば、「資源しげん」「可燃かねんごみ」「不燃ふねんごみ」に分別ぶんべつされる自治体もあれば、ペットボトル以外のプラスチック製品を不燃ごみとして分別する自治体もあります。

 

一般廃プラスチックの例

  • 使用みのペットボトル
  • 食品用トレイ
  • ボールペン
  • 保存容器ほぞんようき など

 

一般的に、資源に分別されるのは「プラ」マークのついたプラスチックせい容器包装ようきほうそう、白色トレイ、レジぶくろ、「PET」マークのついたペットボトルなどです。

 

それ以外いがいの廃プラスチックは、可燃かねんごみに分別されることが多いようです。

 

出典:冊子「プラスチックリサイクルの基礎知識」

 

そして、資源しげんはリサイクル、可燃かねんごみは焼却しょうきゃく不燃ふねんごみは、一般的に焼却などで容量を少なくしてからめたて処分しょぶんされます。

産業廃プラスチック

工場などでの事業活動から出される、プラスチックの指定廃棄物。

 

産業廃プラスチックは、一度にたくさんの廃棄物が出ます。産業廃棄物処理業者しょりぎょうしゃに持ちみをして、買取してもらいます。

 

そして業者に、リサイクルなど適切てきせつ処分しょぶんをしてもらいます。

産業廃プラスチック

  • 合成樹脂じゅしくず
  • 合成繊維せんいくず
  • 合成ゴムくず
  • 廃タイヤ など

廃プラスチックのリサイクル

資源しげんとして集められたはいプラスチックには、「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」そして「サーマルリサイクル」と、3種類の方法でリサイクルされます。

 

それぞれのリサイクルは、長年の技術ぎじゅつ開発かいはつによって、多くの手法が開発され、実用化じつようかされてきました。

出典:冊子「プラスチックとリサイクル8つの「?」」

 

出典:プラスチックのはてな

 

廃プラスチックのリサイクル(1)マテリアルリサイクル

廃プラスチックを原料にして、もう一度、プラスチック製品に再生するリサイクル法です。「材料リサイクル」ともいいます。

 

おもにパレットや土木建築資材けんちくしざい、工業用品、作業さぎょうやベンチ、建築資材けんちくしざい、シート、ボトル、文具など、さまざまなものに生まれわります。

廃プラスチックのリサイクル(2)ケミカルリサイクル

廃プラスチックを化学的かがくてき分解ぶんかいしたりして、化学原料げんりょうに再生するリサイクル法です。

 

例えば、ガス化されてできた化学かがく工業こうぎょう原料げんりょうから、繊維製品せんいせいひん肥料ひりょうが作られます。

 

また、鉄を作るときの還元剤かんげんざいや、化学製品の原料、ガス、油などにも生まれ変わります。

廃プラスチックのリサイクル(3)サーマルリサイクル

廃プラスチックを固形燃料こけいねんりょうにしたり、焼却しょうきゃくしたりして、ねつエネルギーとしてリサイクルする方法です。

 

廃プラスチックと古紙るいを原料に「RPF」という固形燃料を作ったり、廃プラスチックをふくむ ごみを焼却したときの熱で発電したり、温水プールや暖房だんぼうなどに利用されます。

 

プラスチックは石油が原料だけあって、発熱量はつねつりょう(燃やした時に出る熱の量)は紙ごみのやく2.5倍もあります。

廃プラスチックのはいしゅつりょうゆうこうようりつ

2020年の国内の廃プラスチック排出量は、822万トンでした。

 

このうち、一般廃系プラスチックが410万トン、産業廃系プラスチックは413万トンでした。

 

廃プラスチックの排出量は、ここ10年間はわずかにっています。

 

また、廃プラスチックの有効利用量(リサイクルと熱エネルギーとして利用された廃プラスチックの合計)はわずかにえている傾向けいこうにあります。

 

このうち、廃プラスチックの有効利用率(リサイクルと熱エネルギーとして利用された廃プラスチックの合計)は、2020年で86%となっています。

出典:冊子「プラスチックとリサイクル8つの「?」」

 

ポイ捨てをせず、正しいぶんべつルールで廃プラスチックを出そう

廃プラスチックのリサイクルは、リサイクル専門の会社さんが行うことなので、私たち自身が直接リサイクルすることはできません。しかし、リサイクルのお手伝いはできます。

 

ごみは、絶対にポイ捨てや不法投棄をしないようにしましょう。正しく処理すれば資源になる廃プラスチックも、ポイ捨てをすれば資源にならないだけでなく、環境汚染につながります。

 

また、廃プラスチックは、正しく分別してごみ出しをする必要があります。

 

なぜなら、回収された廃プラスチックにプラスチック以外いがいのものがまじっていると、プラスチックとしてリサイクルできなくなるかもしれないからです。

 

廃プラスチックは、住んでいる町の分別ルールを守って、正しくごみ出しをしましょう。リサイクルされたプラスチックは、さまざまな形で、また私たちの役に立ってくれます。

 

小学生のみなさんも、正しいごみの分別を心がけましょう。

まとめ

今回は、はいプラスチックの種類やリサイクルの方法を学びました。

 

日本の廃プラスチックの有効利用率は2016年から毎年80%を超え、2020年は86%と、高い水準すいじゅん維持いじしています。

 

その数字を支えているのは、日本の高いリサイクル技術と、ルールに沿った正しい分別ぶんべつ・排出・回収です。

 

これからもプラスチックを便利に使い、地球環境を守っていきましょう。

アーカイブ