公開日:2022.11.10

更新日:2022.11.30

建設資材のリサイクルについて

建設資材のリサイクルについて

なぜリサイクルするの?

建物を建てる工事のために使ういろいろな資材や、ビルの立て替え工事などのために建物の解体や新築したときに出るごみを建設廃棄物といいます。

 

全国の建設・解体の工事現場から排出される建設廃棄物は、産業廃棄物の約2割を占め、埋め立て処分される廃棄物のうち約4割は建設廃棄物という実態がありました。

 

また、日本では、1960年代の高度経済成長期に建てられた建物が立て替え時期を迎えたため、建設廃棄物のリサイクルを進めることが大切な課題になりました。

建設リサイクル法とは?

 国は、建設資材を建築現場で分別し、建設廃棄物をリサイクルするために、建設リサイクル法を2000年5月に制定し、2002年5月に施行されました。この法律では、一定以上の大きさの建築物を建築したり解体したりするときに出たコンクリートガラと呼ばれるコンクリートのかたまりなど、三つの廃棄物について、工事を請けた人(建設会社)に分別解体とリサイクルが義務付けられました。

 

それまで、解体は「ミンチ解体」といって、木もコンクリートも鉄骨も、ごちゃまぜにして処分していたのですが、解体と同時に現場で分別することによって、リサイクルできるものを増やすことができるようになりました。

 

2006年には廃棄物に建設汚泥(高層ビルの基礎工事、地下鉄のシールド工事、高速道路の下部工事等から発生した、水分を多く含んだ土、工事の際にセメント等が混入した泥状の土)も追加されました。

建設リサイクルの現状

平成30年度の建設廃棄物の排出量は約7,440万トン、建設発生土の排出量は約1億3,263万m3となりました。前回調査(平成24年度)に比して、建設廃棄物で約2%増、建設発生土で約6%減となりました。

最終処分量の経年変化

(出典:国土交通省 平成30年度建設副産物実態調査結果)

建設廃棄物の再資源化率

建設廃棄物の再資源化率等 (出典:国土交通省 平成30年度建設副産物実態調査結果)

なにがリサイクルされるの?

建設リサイクル法では、4つの資材の分別とリサイクルが義務付けられました。

 

  • コンクリート塊…破砕・選別・混合物を除去後、道路路盤材・建築物の基礎材・コンクリートの石に利用します。
  • アスファルト・コンクリート塊…破砕・選別・混合物を除去後、道路舗装の路盤材として利用します。
  • 木材…細かく砕いて住宅用資材、製紙用チップ、堆肥、燃料などに利用します。
  • 建設汚泥…盛土用土、セメント用原料などに利用します。

だれがどんな役割?

リサイクル役割

どうやってリサイクルするの?

(資料提供:山陽工営株式会社)

リサイクルで護岸工事

(写真提供:高知県安芸土木事務所)

再生粉石プラント

(写真提供:角谷木材建設株式会社)

アスファルトコンクリートのリサイクル

(資料提供:東北カーボン株式会社)

廃プラスチックのリサイクル

塩ビ管・壁紙・床材・断熱材などのプラスチックのリサイクルはこれからの課題となっていますが、 すでにマテリアルリサイクルとして路盤材の塩ビ管の再利用やケミカルリサイクルとしての高炉原料化など、サーマルリサイクルとして燃料一部実用化されています。

その他の建設廃棄物のリサイクル

建設廃棄物には、建設リサイクル法で決められた4種類の廃棄物のほかに、プラスチックやいろいろな素材が混ざっていてリサイクルしにくいものなどがあります。建設関連業界では、これらについても、積極的にリサイクルに取り組んでいます。全体を図解したのが下のイラストです。

建設廃棄物のリサイクル

建設副産物リサイクル広報推進会議HPより

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