公開日:2022.11.04

更新日:2022.12.20

環境(かんきょう)問題への世界的(せかいてき)な取り組み

環境(かんきょう)問題への世界的(せかいてき)な取り組み

国際的(こくさいてき)な取り組み

先生

環境(かんきょう)問題は、一つの国だけが取り組んでも解決(かいけつ)できません。地球規模(きぼ)で取り組む必要(ひつよう)があります。
そのため、世界の国々は、国連(こくれん)国際(こくさい)機関(きかん)を中心にいろいろな会議(かいぎ)を開いたり、条約(じょうやく)を作るなどして、地球環境(かんきょう)問題に取り組んでいます。

国連(こくれん)会議(かいぎ)

国連(こくれん)などでは、国際(こくさい)会議(かいぎ)を開いて、地球環境(かんきょう)を守るための行動計画や国際(こくさい)条約(じょうやく)を決めています。
これらの行動計画や条約(じょうやく)署名(しょめい)した国は、自分の国の法律(ほうりつ)政策(せいさく)もこれに合わせなければなりません。


1972年国連(こくれん)人間環境(かんきょう)会議(かいぎ)(ストックホルム会議(かいぎ)
1987年国連(こくれん)環境(かんきょう)と開発に(かん)する世界委員会
1992年環境(かんきょう)と開発に(かん)する国連(こくれん)会議(かいぎ)(地球サミット・リオデジャネイロ)
2015年持続(じぞく)可能(かのう)な開発目標(もくひょう)(SDGs):Sustainable Development Goals

国連(こくれん)気候(きこう)変動(へんどう)枠組(わくぐみ)条約(じょうやく)締約(ていやく)会議(かいぎ)(COP)

大気中の温室効果(こうか)ガスの濃度(のうど)を安定化させることを究極(きゅうきょく)目標(もくひょう)として1992年に採択(さいたく)された「国連(こくれん)気候(きこう)変動(へんどう)枠組(わくぐみ)条約(じょうやく)」(UNFCCC)に(もと)づき、1995年から毎年開催(かいさい)されている年次会議(かいぎ)

地球温暖化(おんだんか)のしくみと温室効果(こうか)ガスとは?

太陽光線は大気を通過(つうか)して、(ねつ)(赤外線)を吸収(きゅうしゅう)して地表をあたためます。地表が()えると赤外線を大気中に放射(ほうしゃ)します。大気中の二酸化(にさんか)炭素(たんそ)やメタンなどの気体が、地表から放射(ほうしゃ)された赤外線を吸収(きゅうしゅう)し、(ふたた)放射(ほうしゃ)して地球を温室のように(あたた)めています。この現象(げんしょう)を温室効果(こうか)といい、これによって地球の表面温度は平均(へいきん)15℃程度(ていど)(たも)たれています。このような温室効果(こうか)をもたらすガスは、二酸化(にさんか)炭素(たんそ)、フロン、メタンなど50(しゅ)以上(いじょう)あり、温室効果(こうか)ガスと()びます。
地球温暖化(おんだんか)とは、地球の表面温度が徐々(じょじょ)に高くなっていく現象(げんしょう)です。

温室効果ガスが最適なイメージ図
温室効果ガスが増えた際のイメージ図


1997年国連(こくれん)気候(きこう)変動(へんどう)枠組(わくぐみ)条約(じょうやく)第3回締約(ていやく)会議(かいぎ)(地球温暖化(おんだんか)防止(ぼうし)京都会議(きょうとかいぎ)COP3)
2015年国連(こくれん)気候(きこう)変動(へんどう)枠組(わくぐみ)条約(じょうやく)第21回締約(ていやく)会議(かいぎ)(COP21)「パリ協定(きょうてい)
2019年国連(こくれん)環境(かんきょう)総会(そうかい)(UNEA4)

G7、G8、G20の会議(かいぎ)

G7(G8)、G20は、毎年、国際(こくさい)会議(かいぎ)開催(かいさい)し、いろいろな課題(かだい)について議論(ぎろん)しています。
G7:フランス、米国、英国(えいこく)、ドイツ、日本、イタリア、カナダ
G8:G7にロシアを(くわ)える
G20:アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、韓国(かんこく)、南アフリカ共和国(きょうわこく)、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国(えいこく)、米国の19ヶ国に(くわ)え、欧州(おうしゅう)連合(れんごう)(EU)

地球のことを考える男の子


2004年G8シーアイランドサミット
2007年「21世紀(せいき)環境(かんきょう)立国戦略(せんりゃく)
2015年「G7エルマウサミット」
2016年「G7富山(とやま)環境(かんきょう)大臣(だいじん)会合」
2016年「G7伊勢(いせ)志摩(しま)サミット」
2017年「G7ボローニャ環境(かんきょう)大臣(だいじん)会合」

2017年「G20ハンブルクサミット」
2018年「G7シャルルボワサミット」
2019年「G20長野環境(かんきょう)大臣(だいじん)会合」
2019年「G20大阪(おおさか)サミット」

国際的(こくさいてき)規格(きかく)

ISO14000シリーズ

「地球サミット」のあと、世界中の国で、環境(かんきょう)問題への真剣(しんけん)な取り組みが始まりました。いろいろな分野で、環境(かんきょう)保全(ほぜん)を考えた産業(さんぎょう)活動や企業(きぎょう)活動に取り組む動きか始まりました。これを環境(かんきょう)管理(かんり)(環境(かんきょう)マネジメント)、その内容(ないよう)定期的(ていきてき)点検(てんけん)検査(けんさ)することを環境(かんきょう)監査(かんさ)といいます。
しかし、みんながちがうやり方で環境(かんきょう)管理(かんり)環境(かんきょう)監査(かんさ)をしていたのでは、どちらが(すぐ)れているか、(くら)べることもできません。
そこで、国際的(こくさいてき)産業(さんぎょう)活動や製品(せいひん)(かん)する基準(きじゅん)(もう)ける機関(きかん)国際標準化機構(こくさいひょうじゅんかきこう)(ISO)は、1996年にISO14001という環境(かんきょう)マネジメントシステムを決め、環境(かんきょう)管理(かんり)監査(かんさ)については14000シリーズという規格(きかく)を決めました。これにより、どこの国の企業(きぎょう)でも、環境(かんきょう)配慮(はいりょ)しているかどうか、どの製品(せいひん)国際的(こくさいてき)規格(きかく)()たしているかがわかるようになりました。
ISOの日本国内機関(きかん)日本規格協会(にほんきかくきょうかい)は、ISO()規格(きかく)対応(たいおう)するJIS規格(きかく)(もう)けて、日本の製品(せいひん)環境(かんきょう)保全(ほぜん)の上で国際的(こくさいてき)にも通用するようにはかっています。

環境(かんきょう)への影響(えいきょう)をはかる国際的(こくさいてき)手法(しゅほう)

LCA(ライフサイクルアセスメント)

ISO(国際標準化機構(こくさいひょうじゅんかきこう))は、環境(かんきょう)保全(ほぜん)への貢献(こうけん)度をあげるために、現在(げんざい)もその方法(ほうほう)をさまざまな角度から検討(けんとう)しています。その一つがLCA(ライフサイクルアセスメント)という方法(ほうほう)です。
LCAというのは製品(せいひん)やサービスの環境(かんきょう)への影響(えいきょう)評価(ひょうか)する手法(しゅほう)です。一つの製品(せいひん)環境(かんきょう)への影響(えいきょう)を見るとき、原料(げんりょう)となる地球資源(しげん)をとり出してから、製造(せいぞう)し、使用して、廃棄(はいき)するまでというライフサイクル全体を通して見なければ、どの方法(ほうほう)(もっと)環境(かんきょう)への影響(えいきょう)が少なくてすむかはわからないという考え方に(もと)づいています。
たとえば、製品(せいひん)をリユースするのと、リサイクルするのとでは、リユースするほうが環境(かんきょう)(およ)ぼす影響(えいきょう)は少ないように見えます。しかし、リユースするためには運搬(うんぱん)に使う車の燃料(ねんりょう)や、製品(せいひん)(あら)ったりきれいにするための水や薬品をたくさん使います。このように、LCAという手法(しゅほう)をとることにより、大気への影響(えいきょう)水質(すいしつ)への影響(えいきょう)など、すべての面から見て、どちらが環境(かんきょう)への影響(えいきょう)が少ないかを(くら)べて、環境(かんきょう)への影響(えいきょう)が少ないほうを(えら)べるという利点(りてん)があります。この手法(しゅほう)については、今も研究が(つづ)けられています。

国連大学(こくれんだいがく)提唱(ていしょう)するゼロエミッション計画

ゼロエミッションとは

「エミッション」とは、英語(えいご)排出(はいしゅつ)の意味です。産業(さんぎょう)製造(せいぞう)工程(こうてい)から出るごみを、(べつ)産業(さんぎょう)再生(さいせい)原料(げんりょう)として利用(りよう)する「廃棄物(はいきぶつ)ゼロ」の生産(せいさん)システムをつくろうというのが基本的(きほんてき)な考え方です。地球サミットで「持続(じぞく)可能(かのう)な開発」が採択(さいたく)されたのを受けて国連大学(こくれんだいがく)提唱(ていしょう)し、1995年4月からスタートしました。東京都の「ゼロエミッション東京戦略(せんりゃく)」をはじめとした(かく)自治体(じちたい)や、また多くの民間(みんかん)企業(きぎょう)でも取り組みが行われています。

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