マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルでは、廃プラスチックをフレークやペレットという原料にしたのち、溶かして再び成形し、プラスチック製品に再生しています。

リサイクル原料の例

フレーク:

廃プラスチックを8ミリ角ほどの大きさに粉砕したもの（主にPETボトル）。「フレーク」は「薄い片」を表す言葉です。

ペレット:

粉砕した廃プラスチックを溶かして小さな粒状に加工したもの。運搬・貯蔵がしやすく、加工性もよくなります。「ペレット」とは「丸薬」を意味する言葉です。

マテリアルリサイクルでは、このような製品に再生されます

産業系廃プラスチックからの再生製品

①洗面器　②ロードボラード　③擬木　④パレット（容リ法その他プラのリサイクル原料を使用）　⑤防草シート　⑥断熱/防音シート　 ⑦塩ビパイプ　⑧雨水枡の蓋　⑨カラーボックス　⑩中央分離帯ブロック　⑪車止め（パーキングブロック）　⑫すのこ　⑬測量・境界杭　 ⑭レンガ　⑮鋼材用枕木　⑯ビデオカセット　⑰カラーコーンの重し　⑱植木鉢

PETボトルの再生製品

衣料品、清掃用品、ごみ袋、台所用品、下水道などのふた、バッグ、ハンガー、繊維、文房具、事務用品、 収集・包装容器、トレー、産業土木・建築資材、インテリアなど

写真提供：PETボトルリサイクル推進協議会

原料・モノマー化

廃プラスチックを化学的に分解し、プラスチック原料やモノマー^※に戻します。
モノマーは石油からプラスチックを作る途中段階の状態です。廃プラスチックをこの状態に戻す技術によって、同じ用途に何度も再生できるようになります。
現在、PETボトルのリサイクルで実用化されています。

※モノマー：プラスチックは水素と炭素が結びついた分子が化学反応によってたくさんつながったもの（高分子化合物）です。
このとき、もとになる分子を「モノマー」、たくさんつながった高分子化合物を「ポリマー」といいます。

モノマーとポリマー（イメージ）

ボトル to ボトル

プラスチックに染みついた物質や匂いは、洗浄しても完全に落ちません。このため、従来のマテリアルリサイクルの技術では、使用済みの飲料用PETボトルをマテリアルリサイクルして飲料用PETボトルにすることはできませんでした。しかし、モノマー化技術によって、新品と同等の樹脂を再び作ることができるようになり、「ボトル to ボトル」のリサイクルが可能になりました。

ボトルtoボトルのリサイクル工程

出典：ペットリファインテクノロジー株式会社HPから作成

※1　ベール：

廃プラスチック製品を圧縮してヒモをかけ、ひとまとめにしたもの。ベールにすることで運送や集積がしやすくなる。 例えば約200kgのペットボトルも、ベール化すれば1m³に。「ベール（bale）」は、英語で「梱包」を意味する。

※2　BHET：

ビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート

高炉原料化

廃プラスチックを製鉄所で還元剤として使います。
鉄を作るには、鉄鉱石とコークス^※を高炉の中で熱します。コークスは燃料として炉の中を高温にするとともに、鉄鉱石の主な成分である酸化鉄（Fe₂O₃）を還元する（酸化鉄から酸素を取り除く）役割をしています。プラスチックは水素（H）と炭素（C）でできているため、コークス（C）の代わりに還元剤として利用できます。

製鉄における廃プラの役割

※コークス：石炭を1000℃以上の熱で蒸し焼きにしたときにできる炭素質の物質。製鉄には欠かせないものです。

コークス

コークス炉化学原料化

廃プラスチックからコークスや炭化水素油、コークス炉ガスを作る手法です。
石炭を蒸し焼きにするとコークスができます。そのとき発生する揮発成分からは炭化水素油、コークス炉ガスができます。廃プラスチックからも同じようにしてコークスや炭化水素油、コークス炉ガスができます。
コークスは製鉄所で酸化鉄の還元剤として、炭化水素油はプラスチックなどの化学原料に、コークス炉ガスは発電などに利用することができます。

コークス炉化学原料化のプロセス

コークス炉化学原料化

廃プラスチックからコークスや炭化水素油、コークス炉ガスを作る手法です。
石炭を蒸し焼きにするとコークスができます。そのとき発生する揮発成分からは炭化水素油、コークス炉ガスができます。廃プラスチックからも同じようにしてコークスや炭化水素油、コークス炉ガスができます。
コークスは製鉄所で酸化鉄の還元剤として、炭化水素油はプラスチックなどの化学原料に、コークス炉ガスは発電などに利用することができます。

コークス炉化学原料化のプロセス

ガス化

廃プラスチックを熱で分解して合成ガスにする手法です。この合成ガスは水素、メタノール、アンモニア、酢酸などの化学工業原料になります。身近なものでは、虫さされの薬やナイロン、肥料、ドライアイスとしても利用されています。

合成ガスから作ったアンモニアは、身近な製品の原料に

写真提供：昭和電工株式会社

ガス化

廃プラスチックを熱で分解して合成ガスにする手法です。この合成ガスは水素、メタノール、アンモニア、酢酸などの化学工業原料になります。身近なものでは、虫さされの薬やナイロン、肥料、ドライアイスとしても利用されています。

合成ガスから作ったアンモニアは、身近な製品の原料に

写真提供：昭和電工株式会社

油化

石油製品であるプラスチックを熱で分解し、油に戻す手法です。できた生成油はボイラー燃料として利用されたり、石油精製プラントで原料として使用されています。

固形燃料化

ごみを熱で圧縮して固形燃料（RDF、RPF）にします。

RDF：

Refuse Derived Fuelの略。生ごみ・可燃ごみなどから作る固形燃料。

RPF：

Refuse Paper & Plastic Fuelの略。廃プラスチックと古紙類を原料とした高カロリーの固形燃料。製紙工場を中心に化石燃料の代替として使われています。

RPF

固形燃料化

ごみを熱で圧縮して固形燃料（RDF、RPF）にします。

RDF：

Refuse Derived Fuelの略。生ごみ・可燃ごみなどから作る固形燃料。

RPF：

Refuse Paper & Plastic Fuelの略。廃プラスチックと古紙類を原料とした高カロリーの固形燃料。製紙工場を中心に化石燃料の代替として使われています。

RPF

セメント原・燃料化

廃プラスチックを、セメント製造時の原燃料として利用する方法です。

ごみ焼却熱利用・発電

廃プラスチックを含むごみを焼却するときに出る熱を温水プールや健康施設の浴場、暖房などに利用したり、焼却時に出る蒸気でタービン（熱エネルギーを運動エネルギーに変換する羽根車のような装置）を回して発電します。作った電気は焼却施設で使い、残りを電力会社に売っています。

ごみ焼却による熱利用・発電のしくみ

出典：財団法人新エネルギー財団HP