• LCAってなんだろう

プラスチックは環境に悪いもの?

毎日、大量に出る廃プラスチック。
環境のことを考えたら、プラスチックはなるべく作らず、使わないようにしたほうがいいと思うんだけど…

毎日、大量に出る廃プラスチック。環境のことを考えたら、プラスチックはなるべく作らず、使わないようにしたほうがいいと思うんだけど……

プラスチックに限らず、ごみは正しく廃棄しリサイクルしなければ、環境破壊の原因になります。
家庭から出るごみをどのように廃棄し、リサイクルするかは、環境を考えるうえでのポイントといえます。
すでにわが国では、容器包装や自動車、家電などプラスチックを使った製品のリサイクルシステムができあがってきています。廃プラスチックが環境へ及ぼす影響も、最小限に抑えられるよう取り組みが進められています。

ところで、もしプラスチックをなるべく作らず、また使わないようにした場合、私たちの生活や環境負荷はどう変わるのでしょうか。

もしもプラスチックがなくなったら?

ごみになる前のプラスチックは、私たちの生活に安全性や利便性などをもたらしてくれます。
たとえば…

食品の容器包装

イラスト

密封したり、アルミやバリア樹脂を含んだ多層構造にすることで、酸素・紫外線を遮断し、食品の品質が劣化するのを防いでいます。 びんや缶に比べ、軽くて丈夫です。

電気製品、電子部品

イラスト

プラスチックは電気的性質に優れているため、電気製品や電子製品の回路などに使われます。液晶ディスプレーは複数のプラスチックを重ね合わせた構造になっています。

医療現場で

イラスト

輸液用バッグや注射器には、衛生的で、耐熱性があり、軽く柔軟性に優れたプラスチックが不可欠です。保存性が良く中身が取り出しやすい薬のPTP包装にもプラスチックが使われています。

プラスチックがなくなれば、私たちがプラスチックから得ていた恩恵も、なくなります。 日持ちのしない食品は安全性が心配です。重いものを運ぶためには輸送費がかかりますし、壊れやすい製品には保護するものが必要になります。 プラスチックが生活のあらゆるところで使われているのは、プラスチックにたくさんの長所があるからなのです。

プラスチックの長所

  • 軽くて丈夫
  • さびや腐食に強い
  • 大量生産が可能
  • 断熱性が高い
  • 電気的性質に優れている
  • 衛生的でガス遮断性が高いなど

「安全」は何ものにも代えがたいし、価格が高くなるのも困るわよね。

「安全」は何ものにも代えがたいし、価格が高くなるのも困るわよね。
このページの上へ

LCAは、ライフサイクル全体で考える

環境への影響を考える場合は、ごみになってからだけでなく、その製品が作られて、使われ、廃棄やリサイクルされるまでのライフサイクルを総合的に検討する必要があります。
そして、プラスチックを使わない場合も、同じ用途に別の素材を使うことで発生するエネルギー消費量や環境負荷を考えなければなりません。
リサイクルによって環境負荷を低減できても、生産時により多くのエネルギーを消費していたり、使用時に温暖化ガスをたくさん発生させていたとしたら、トータルの環境負荷はどうなるでしょうか。

製品のライフサイクル全体で発生する環境負荷

製品のライフサイクル全体で発生する環境負荷の図

こうした考え方に基づき、環境への影響を科学的・定量的・客観的に評価する手法を
「ライフ サイクル アセスメント(LCA)」といいます。 LCAの手法については、今も研究が続けられています。
※定量的な評価とは、質的に違うものを数値化して比較し評価することです。

プラスチックの特性によって環境負荷が低減できた例もあります。

●自動車:
運転時に最も多くの温暖化ガスを発生させる自動車は、外装や内装部品などにプラスチックを使うことで軽量化が図れ、ライフサイクル全体の環境負荷が低減できました。
●住宅や家電の断熱材:
断熱材にプラスチックを使うことで、省エネが実現しました。
●食品などの容器包装:
常温で長期保存できる容器包装は、品質保持にかかるエネルギー消費量を低減します。

プラスチックのメリットは大きいし、一概にプラスチックが他の材料より環境負荷が大きいわけでもないのね。じゃあ、私たちがきちんと分別して、すべてをリサイクルしてもらえばより環境負荷が減らせるわね!

「安全」は何ものにも代えがたいし、価格が高くなるのも困るわよね。
このページの上へ

ちょっと待ってください。
プラスチックには多くの種類があり、廃プラスチックの状態もさまざまです。
すべてをリサイクルできるかどうか、また、リサイクルするならどのような手法が適しているかは、廃プラスチックの素材や状態によって決まってきます。

3つのリサイクル

プラスチックのリサイクルには、大きく分けて3つの方法があります。

マテリアルリサイクル

どんなリサイクル?

プラスチックを溶かして、またプラスチックとして使う(再生利用)

何ができるの?

コンテナ、ベンチ、土木建築資材、繊維、シート、容器など

適している廃プラスチック

PETボトル、白色トレイなどの単一素材で、食品などの汚れのついていないもの

ケミカルリサイクル

どんなリサイクル?

化学工場や製鉄所で原料として利用する

何ができるの?

鉄を作るときの還元剤や、化学製品の原料、ガス、油など

適している廃プラスチック

種類の異なるプラスチックが含まれる複合素材、異物や汚れのあるもの

サーマルリサイクル

どんなリサイクル?

燃やして熱回収し、エネルギーとして利用する

何ができるの?

固形燃料、電気、温水など

適している廃プラスチック

種類の異なるプラスチックが含まれる複合素材、異物や汚れのあるもの、厨芥、木や紙などを含む都市ごみ

「リサイクル」というとマテリアルリサイクルを思い浮かべてしまうけれど、いろんな手法が開発されているんですね。

毎日、大量に出る廃プラスチック。環境のことを考えたら、プラスチックはなるべく作らず、使わないようにしたほうがいいと思うんだけど……

リサイクルの目的は、限りある資源の消費を抑えること、環境負荷を低減することです。
廃プラスチックの内容や状態をもとに、最も社会的コストが低く、新たな資源の投入が少なく、環境への負荷も抑えられる最適な手法を選びたいものです。

このページの上へ

プラスチックのリサイクル20の?