プラスチックのリサイクル

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きちんと分別すれば、すべて材料リサイクルできる?

私たち消費者がきちんと分別をすれば、すべての廃プラを燃やさずマテリアルリサイクルできるのでは?

「その他プラ」のリサイクル不適物

すべての廃プラスチックをマテリアルリサイクル……できるかもしれませんが、そのようなリサイクルは資源消費の抑制や環境負荷の低減にならない可能性が高く、また、リサイクルにかかる社会的コストも膨大なものになります。

なぜそうなのか──。まず、ごみの分別のしかたは市町村によって異なりますが、廃プラスチック(容リ法の対象物)の場合は多くの地域が次のような分別をされているのではないでしょうか。

@PETボトル

しょうゆ、乳飲料、清涼飲料、酒類、しょうゆ加工品、みりん風調味料、食酢、調味酢、
ドレッシングタイプ調味料(ただし食用油脂を含まず、かつ、簡易な洗浄により臭いが除去できるもの)

Aその他プラ(「プラ」マークの付いた容器包装)

自治体によっては発泡スチロールトレーを「その他プラ」とは別に収集している場合があります。
また、トレーの業界が自主的にスーパーなどの店頭で回収を行っていることもあります。

B燃やすごみ

@とAは容リ法にしたがってリサイクルされます。容リ法が定めているリサイクル手法は、次の3つです。

  • マテリアルリサイクル
  • ケミカルリサイクル
  • 固形燃料化等

現状では、リサイクル業者を決める入札制度においてマテリアルリサイクルが優遇されおり、マテリアルリサイクルにかかる費用は全体に高くなっています。また、固形燃料化は、緊急避難的・補完的な場合のみリサイクル手法として認められています。

B「燃やすごみ」には、油のPETボトル、水で洗っても汚れや臭いの取れないプラスチック容器などが当てはまり、多くの地域ではこれを生ごみなどと一緒に焼却し、熱回収しています。

この理由としては、汚れの落ちない廃プラスチックが@とAに混ざっていると、収集後の分別作業や洗浄工程に多くのエネルギーと費用を要するからです。このような廃プラスチックはマテリアルリサイクルには不適であり、無理にやろうとすればリサイクルの目的に合わなくなります。

ところが実際には、@Aにも「リサイクル不適物」は混ざっています。特にA「その他プラ」の分別対象物は徹底されていないことが多く、汚れたプラスチック容器だけでなく缶や電池などが入っていることも珍しくありません。

また、リサイクルの過程でも、廃プラスチックの「残渣(ざんさ)」(リサイクルできない「残りかす」)が発生します。市町村が収集する廃プラスチックの量に対する残渣の割合は、ケミカルリサイクルで約18%、マテリアルリサイクルでは約50%あります。残渣は次のような方法で処理されます。

  • 焼却してエネルギー回収
  • 固形燃料化(RPF)
  • セメント原燃料化
  • その他
廃プラスチックのリサイクル手法別残渣の割合と処理方法の図
「なお残るもの」って、これだったのね。
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適切な分別が適正なリサイクルにつながる

では、汚れたプラスチック容器をお湯や洗剤できれいに洗って分別するのはどうでしょうか。

こんな計算例があります。
たとえば、プラスチック1gを作るためには1.3〜1.4gの石油が必要になります。この1gのプラスチック(ラップにすると30cm×20cmくらい)を40℃のお湯1リットル(蛇口から細めに20秒間出すくらいの量)で洗うと、4gの石油が必要になります。洗うのに必要な石油で、廃プラスチックフィルムの3倍くらいの新品を作ることがきるのです。(安井至「市民のための環境学ガイド」より)

リサイクルのためにお湯や洗剤を使うことは、資源消費と環境負荷の増大につながってしまいます。

リサイクルしないほうがマシ、ってこと?

もちろん、省資源・環境負荷低減になるリサイクルはするべきです。何がなんでもマテリアルリサイクル、ではなく、LCAの視点から目的に合った合理的な選択ができればいいのです。

そのために家庭でできることは、「適切な分別」をすること。「適切な分別」とは、市町村の分別ルールに従って、リサイクルしやすい良質の廃プラスチックを排出することです。たとえば、PETボトルはラベルをはずして、ラベルとキャップは「その他プラ」へ。水でさっと洗ってきれいになるプラスチック容器は「その他プラ」へ、そうでないものは「燃やすごみ」へ。

一方、市町村では分別収集後、異物除去などを行い、分別基準適合物としての質を高めます。こうした努力によって削減されたリサイクルコストの半額を、事業者から市町村へ拠出するという制度(市町村への資金拠出制度)が平成20年から始まっています。

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