プラスチックのリサイクル

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リサイクルとリユース、環境にやさしいのはどっち?

環境負荷を考えたら、エネルギーを使ってリサイクルするより、廃プラもできるだけリユースするべきでは?

現時点では「どちらともいえない」

現在、わが国では循環型経済システムの構築に向け、次のようなビジョンで取り組みが進められています。

@リデュース(Reduce:廃棄物の発生抑制) 包装を軽くしたり、簡略化するなど、なるべくごみを出さないようにする。>
Aリユース(Reuse:再使用) 使用済みの製品を回収してもう一度使う。
Bリサイクル(Recycle:再資源化) 使用済み製品や容器包装などを回収し、原材料または焼却熱のエネルギーとして利用する。

使用済みの製品をもう一度使うリユースは、原材料化したり熱回収するリサイクルよりも環境負荷が少ないように思えます。

しかし、2009年8月に環境省から出されたのは、LCAによる評価を行った結果、 プラスチックについて現時点では「どちらともいえない」という報告でした。

環境省「ペットボトルリユース実証実験結果の取りまとめ」(2009年8月7日)

※循環型経済システム:環境への負荷を低減することや、限りある資源を節約することを、産業活動や経済活動のあらゆる場面に組み込んだ経済システムのこと。

状況に応じたすみわけを

プラスチックの場合、衛生面などの理由から、最もリユースできそうなのはPETボトルです。水や清涼飲料のPETボトルなら、洗って再使用することもそれほど難しくないように思えます。

問題は回収システムにあります。ワンウェイのPETボトルとは異なり、リユースPETボトルは販売店が回収するか、消費者がお店へボトルを返しにいかなければなりません。昔のように酒店などが家庭をまわって配達・回収することが少なくなった現在、広く出回ったリユースPETボトルを効率よく回収することは至難のワザです。

輸送の問題もあります。ワンウェイはつぶして運べますが、リユースはボトルを傷つけずに運ぶ必要があります。リユースPETボトルを運ぶためのエネルギー量は、ワンウェイ容器をリサイクルする場合より大きくなってしまいます。

前述の環境省による実験では、輸送距離を短くした地域限定(100km以内)のクローズド・システム(販売店が回収するシステム。回収率90〜95%)であれば、リユースのほうがリサイクルよりもエネルギー消費量が小さくなると報告されています。

環境省の実験の例1(ワンウェイ容器をリサイクルする場合)(上)と環境省の実験の例2(クローズド・システムでリユースする場合)(下)の図
PETボトルは軽いけど、かさばる。つぶして回収できるリサイクルのほうが1台のトラックにたくさん積めるんだ。
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次の2つのグラフから、最良の結果も最悪の結果もリユースであることがわかります。同じリユースでも、狭い地域の中で効率よく回収できればリサイクルより環境にやさしいけれど、回収システムが確立されていない場合は今のリサイクルのほうが環境にやさしい。状況に応じてリユースとリサイクルをうまくすみわけることが、環境負荷の少ない経済システムにつながるというわけです。

エネルギー消費量比較(ミネラルウオーター2L、1本あたり)(上)とCO2排出量比較(ミネラルウオーター2L、1本あたり)(下)の図
一概にどちら、とはいえないんだね。
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