プラスチックのリサイクル

  • これからのリサイクル
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

廃プラスチック処理は今後どうなる?

廃プラスチックの処理は、これからどうなっていきますか?

廃プラをめぐる課題の整理

将来を予測する前に、まず現状の課題を整理しておきましょう。

容リ法の枠組みにおける廃プラスチック(一般廃棄物)の処理をめぐる課題とは、「その他プラ」をどうするか、ほとんどこの1点に尽きると言ってもよいのではないでしょうか。

現状では、いろいろなものが一緒になっている「その他プラ」を強引にマテリアルリサイクルしてしまっていますが、これまで見てきたように、無理なリサイクルはLCA的にみてエネルギー資源や環境負荷の低減にならないうえ、社会的コストの増大にもつながります。

なぜそんなことになってしまうのかを整理すると、大きく2つの背景が考えられます。

(1)廃プラスチックのリサイクルを「その他プラ」で一括りに考えている

家庭から出る「その他プラ」は食品残渣による汚れが付いていたり、多種類のプラスチックが混合していたり、包装材自体が多層構造の複合材であることが多いため、マテリアルリサイクルには向かないものです。このようなプラスチックを一括で集めてリサイクルすること自体に無理があるのです。

(2)リサイクル業者を決める入札制度でマテリアルリサイクルが優先されている※1

前項で示した(社)プラスチック処理促進協会の結果だけでなく、(財)日本容器包装リサイクル協会が行ったLCA評価※2からも、材料リサイクルが優先される根拠はありません。しかし、今は「とにかく材料リサイクル」になってしまっています。

※1:平成11年3月、産業構造審議会で示された「再商品化手法の考え方」による。

※2:「プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等の検討」(平成19年6月)

このページの上へ

「分別(ぶんべつ)」ある分別と適正処理※3

では、どうすればよいのでしょうか。

「集めたものをどうリサイクルするか」から、「どのようなものを何にリサイクルするために集めるか」へ、発想の転換が必要です。マテリアルリサイクルをするのであれば、PETボトルや白色トレイのように、わかりやすく分別しやすい単一素材でできているものを集め、その他大勢のプラはケミカルリサイクルや熱回収を行うというように、廃プラ処理の手法をLCAの視点で見直すことが必要です。そのうえで、リサイクルは排出状態や素材構成をもとに行うべきなのです。

※3:全国都市清掃会議 特別講演(2006年)で、(現)鳥取環境大学の田中勝教授が提言。

廃プラスチックの排出状態と素材構成からリサイクル手法を決めるの図
複合材は、今の技術で簡単に剥がせないのかなあ?  あるいは、リサイクルしにくいからなるべく使わないとか。

プラスチック製容器包装の素材は、安全・安心の観点から必要に応じて使い分けるため、いろいろな種類があります。そして複合材は、中身の品質や安全性を守るため、簡単に剥がれるような構造にはなっていません。

そもそも複合材は軽く、かさが低いことでリデュースに貢献しています。同じ機能を単一素材で持たせようとすれば厚くするしかなく、重さも体積も増えてしまいます。リサイクルありきで物事を見てしまうと、手段が目的になってしまうような本末転倒が起こります。

今、求められているのは、プラスチックそれぞれの役割・機能を評価したうえで、資源エネルギーや環境に対してできるかぎり配慮をし、合理的な処理をしていくことではないでしょうか。

そのためにもLCAは有効な指標になります。

容器包装だけじゃなく、  プラスチック製品もリサイクルされるようになるの?
このページの上へ

「製品プラ」の現状と課題

容器包装プラスチックは特定事業者にリサイクル義務が課せられているのに対し、それ以外のプラスチック製品(製品プラ)の処理については法律も定められておらず、リサイクルシステムも確立されていません。「同じプラスチックなのに、なぜ?」と思う方もいるでしょう。

製品プラもリサイクルできなくはないのです。単一素材で、ある程度まとまった量が排出されるのであれば、マテリアルリサイクルも可能です。しかし、ほとんどの自治体で、容器包装以外の製品プラが集まる量は非常に少ないのではないでしょうか。

もともと製品プラは廃棄されることを前提として作られていません。バケツや弁当箱をしょっちゅう買い換える人はいないでしょうし、プラスチック製品は破損や変形がなければ10年でも使えます。いつ廃棄されるかわからないものに対してメーカーにリサイクル費用を負担させるのは現実的ではないでしょう。もしリサイクルをするとしたら、熱回収や発電など、ある程度経済の効率性もあって環境負荷の少ないやり方を選択するのがベターです。

近年、多くの自治体において、製品プラが「不燃」から「燃やすごみ」になりました。製品プラを焼却して量を減らすこと、これは埋立処分場の延命に大きく貢献します。また、廃プラを燃焼させることで焼却炉の助燃材が節約できるというメリットもあります。カロリーの安定しているRPF化も有効な利用法です。

今はまだ自治体で回収している製品プラの量も把握できていませんが、今後、データが集まってくれば、製品プラに関する課題と活用のしかたも整理されていくでしょう。

男性:プラスチックとどう付き合っていくか、使い終わったプラスチックをいかに有効利用するか。女性:暮らしになくてはならないものだから、これからも注目していこうと思います。
このページの上へ